トラックやバスに装着されている排気ブレーキ。
運転手の皆さんなら必ず使っていると思います。
しかし排気ブレーキの仕組みや構造を詳しく知っているドライバーは意外にも少ないです。
この記事では排気ブレーキを入れっぱなしで走ると故障するのか、排気ブレーキを使い過ぎるとどうなるのかを説明しています。
また排気ブレーキの仕組みや構造の他にも燃費や排気ブレーキが効かない時の対処法もご紹介しています。
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こちらの記事でくわしく解説していますのでご覧ください。
排気ブレーキの仕組みや構造とは
排気ブレーキはトラックなどに装着されているフットブレーキ以外の補助ブレーキの一つで別名エキゾーストブレーキと呼ばれています。
フットブレーキ以外のブレーキでギアを利用したエンジンブレーキがありますが排気ブレーキはこのエンジンブレーキの約1.8倍の制動力があるといわれています。
排気ブレーキはアクセルペダルを踏んでいる時は作動しませんがアクセルから足を離すと作動します。
そしてまたアクセルを踏むと解除されます。
減速したい時にアクセルから足を離すと勝手に排気ブレーキが効いてくれます。
排気ブレーキの仕組みはシンプルでアクセルから足を離したときに排気管にあるバタフライバルブやフラップバルブと呼ばれる可動式の弁で蓋をすることでワザと排気効率を悪くします。
そうすることでシリンダー内部の排気の流れも悪くなるのでピストンの回転効率が下がります。
それが排気ブレーキの原理となっているわけです。
弁を閉じることで排気効率とピストンの上昇を抑えるメカニズムです。
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排気ブレーキを使う理由
排気ブレーキを使う理由は重量の重いトラックやバスではフットブレーキに対する負担が大きくフェード現象やベーパーロック現象が発生して運転への危険性が増すからです。
またフットブレーキは消耗品でドラムやライニングは使うほどに減っていき交換しないといけなくなるので部品代などのコストがかかってしまいます。
排気ブレーキを入れっぱなしにすると故障する?
排気ブレーキを入れっぱなしすると車が故障するという話をよく聞きます。
しかし排気ブレーキを入れっぱなしにして走ることはできません。
排気ブレーキは走行中や停止中、クラッチを踏んでいる時やニュートラル時は作動しないようになっています。
そもそも排気ブレーキを作動させたまま走ることはできないので大丈夫です。
それは分かった上で常に排気ブレーキをオンにしておくと故障するのかという話であれば故障というよりは排気ブレーキのシステム自体の寿命は長い目でみると多少は短くなるかもしれません。
排気ブレーキを使いすぎるとどうなる?
ブレーキでもなんでもそうですが機械は使うほどに消耗します。
排気ブレーキは排気管に蓋をして排気の流れやピストンの動きを制御して速度を落とそうとする仕組みです。
排気ブレーキを常にオンにするということはその分使用回数が増えるので壊れるというよりは寿命を早く迎える感じです。
常に重い荷物を積んでいるトラックも使う頻度は高いし荷物を積んでいない時はオフにした方がいいかもしれません。
しかしそもそもの車両重量の重いトラックでは排気ブレーキの力を借りずにフットブレーキだけで減速しているとフットブレーキのほうの寿命が早まりますからどちらが正しいとは言えません。
走行中にも排気ブレーキが入りっぱなしなら完全に故障してますからすぐに修理に出して下さい。
排気ブレーキのランプがつきっぱなしになったら?
通常はトラックが速度0、つまり停車している状態なら画像のように排気ブレーキをONにしていてもランプは表示されません。
しかし何らかの不具合で止まっていても排気ブレーキランプが表示される場合があります。
考えられる原因としては
- 配線の不具合
- 実際に効きっぱなしになっている
このような状況が考えられます。
このまま走り続けるとトラックにも不可がかかるし、ブレーキランプと排気ランプが連動しているトラックでは後続車にも迷惑です。
すぐに修理に出しましょう。
リターダーが故障したらどうする?
リターダーとはプロペラシャフトに負荷を与えることでエンジンの回転を遅らせます。
それで制動力を得る補助ブレーキのことです。
排気ブレーキとは異なります。
重量物を積むトラックにはリターダは欠かせない装置です。
効きが悪い、全く効かなくなった、などの症状がでたらすぐに修理に出しましょう。
リターダーの故障の原因で多いのは配線系です。
信号線が断線がよく故障の原因になります。
排気ブレーキを使うと燃費が悪くなる?
排気ブレーキを使うと燃費が悪くなるという話をよく聞きます。
実際のところは排気ブレーキを使用することで燃料を使うことはありません。
問題はブレーキを使った後の速度を回復するときに使用燃料が変わってきます。
排気ブレーキをかけると使わない時よりも速度が落ちるのが早いです。
つまり排気ブレーキをかけることによりトラックが空走する距離が短くなってしまうんです。
さらに速度も落ちるのでアクセルもその分踏まないといけません。
結果的に燃費が悪くなるというロジックが成り立つわけです。
排気ブレーキがかかりっぱなしになったら
そもそも排気ブレーキを入れっぱなしにした状態で走行することはできません。
しかし稀にそのような状況になる場合があります。
その際にはすぐに修理に出すことをおすすめします。
排気ブレーキの効きが悪い時の対処法
排気ブレーキが効かなくなったらとにかく速度を出さないことです。
荷物を積んでいるトラックは一旦加速すると止まりにくくなります。
制動距離がはんぱなく長くなります。
フットブレーキだけで減速しようとするとエアーも無くなるし上記で説明したフェード現象やベーパーロック現象が発生して非常に危険です。
特に長い下り坂では命の危険だってあります。
私はこれが原因の事故で亡くなったドライバーを何人もみてきました。
荷物を積んだトラックで排気ブレーキが効かない、フットブレーキの使い過ぎは本当に危険です。
排気ブレーキが故障したら!
排気ブレーキが効かない、入らない、入りっぱなしなどの故障がでたらすぐにディーラーや修理に出して下さい。
走行中に故障した場合にはスピードをできるだけ出さないようにしてすぐに修理に出しましょう。
そのまま走行するとフットブレーキへの負担も大きいし部品を全部取り換えなどの重症化する可能性があります。
修理代も高くつくので早めに対応することでリスクヘッジや修理代を安く抑えることができます。
排気ブレーキから異音がしたら
通常排気ブレーキはゴォーーという低い音がします。
しかし稀に高音や異音が発生するときがあります。
排気ブレーキが普通に作動していても音だけ変わったら故障の前兆の可能性が高いです。
原因としては排気管内のバルブの作動不良やシールド不良、ボルトの折れ込みなど様々です。
とにかく異音がしたらすぐに修理にだすことをおすすめします。
排気ブレーキのデメリットとは
一番のデメリットは燃費に影響を与える点です。
常に排気ブレーキを使用することで、アクセルを緩めただけでも排気ブレーキが作動してしまうので、変速時でもアクセルを緩めるときに制動力が発生します。
なので、燃費の消費を抑えるには、必要な時だけ排気ブレーキを活用するのがおすすめです。
雪道で排気ブレーキを使っても大丈夫?
排気ブレーキとはその名の通りブレーキです。
しかもかなり強力なブレーキシステムです。
雪道や凍結路、雨の路面では当然滑りやすくなります。
特に雪道では「急発進」「急ハンドル」「急ブレーキ」は厳禁です。
荷物を積んだトラックではなおさら注意しないといけません。
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まとめ
今回は排気ブレーキについてご紹介しました。
排気ブレーキをつけっぱなしにすると故障ではなくて消耗や燃費に多少関わってきます。
荷物を積んでいない時はオフにしておくとメリットもありますがやはり荷物を積んだら排気ブレーキを使いましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。